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タイトル「低線量放射線の生物影響に関する調査」
 

 放射線のヒトへの影響については、原子爆弾や放射線源取り扱い上のあやまちによる事故等の調査から、高線量放射線の場合は明らかになっています。高線量の放射線を受けた場合でも、皮膚の紅斑、脱毛や白血球の減少、白内障などは、一定の線量以上の放射線を受けた場合に発生することが分かりました。また、放射線を受けてからある程度長い期間をおいて発生する白血病やがんの場合には、このような一定の値は明確ではなく、受けた放射線の量とがんの発生頻度との間に正の相関があることが明らかになっています。ただし、これらの話は200〜5,000ミリシーベルトという中・高線量域での放射線の影響に関するものであり、低線量放射線がヒトに与える影響については、影響の有無を含め研究や議論がされています。
 再処理工場の運転にともない環境中に放射性物質が放出されますが、ヒトが受ける線量は低線量放射線の範囲となります。そこで、低線量放射線が生物に与える影響について、個体レベル、細胞レベル、遺伝子レベルで調査を行っています。

タイトル「マウスを使って低線量放射線の影響を調べる」
 

 低線量放射線の生物への影響を実験室レベルで調べる場合、遺伝子や細胞の機能がよく調べられていて且つヒトと同じほ乳類であるマウスを実験動物として使い調査を行っています。
 これまで、マウスに放射線照射を行い、放射線量の違いによるマウス寿命の変化を調べる調査を行いました。その結果、低線量放射線では非照射マウスと比較して寿命変化に有意な差がないことが確認されました。また、高線量放射線では、がんによって寿命が短くなることが確認されました(成果参照)。
 現在は、オスマウスに放射線照射を行って非照射メスマウスと交配を行い、低線量放射線が子孫に与える影響の有無について調査を行っています。

「マウスを使って低線量放射線の影響を調べる」イメージ
タイトル「遺伝子レベルで低線量放射線の影響を調べる」
 

 マウス実験で得られた結果をそのままヒトにあてはめることはできません。しかし、遺伝子レベルではマウスとヒトはともにほ乳類に属し進化学的に非常に近く、その99%は共通点があるとされています。したがって、マウスで得られた放射線によるがん関連遺伝子異常に関するデータをもとに、ヒトへの影響評価にあてはめることが可能であると考えられています。
 現在は、マウスを実験モデルとして、低線量率放射線の長期被ばくが、がん関連遺伝子にどのような影響を与えるのか調査を行っています。

「遺伝子レベルで低線量放射線の影響を調べる」イメージ
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