がんを退治する免疫の働きと放射線(3)

放射線長期照射後がん細胞移植実験の結果

図5.2.2 がん細胞を移植したマウスの写真を示します。免疫機能が正常に働けば、がん細胞が移植されても排除されるため変化が見られません(写真左)。このような見た目に変化が見られないマウスに関しては解剖して詳しく調べ、がん細胞が排除されていることを確認しました。

しかし、がん細胞が排除されないと背中の皮膚下に移植したがんが成長し、ふくらんでいることが分かります(写真右)。

移植後にがん細胞が増えたマウスの割合を図に示します。いずれの照射条件でも、放射線を照射したマウスの方が非照射マウスよりも移植したがん細胞が増える傾向が見られました。更に統計学的な処理をした結果、1日あたり20ミリグレイで400日間照射したマウス(総線量8000ミリグレイ)では非照射マウスと比較して有意な差があることが分かりました。
図5.3.1

この結果から、放射線がマウスのがんを排除するための免疫機能に影響を与えたと推測されます。そこで免疫機能の変化についてより詳しい調査を行いました。