排出放射性物質影響調査

用語解説

カリウム

カリウム(K)という元素は、原子番号19番の元素です。以下に示すような同位体があり、カリウム39、41(それぞれ39K,41K)は安定同位体、カリウム40(40K)は放射性同位体です。

画像:カリウム同位体の表

放射性物質であるカリウム40(40K)は天然放射性物質の代表的なものであり、環境中に存在するカリウムの約0.01%はカリウム40です。カリウム40は12.8億年という長い寿命(半減期)をもち、下図のように89.3%がベータ線を出してカルシウム40に、10.7%がガンマ線を出してアルゴン40に変化をし、安定な物質になります。

画像:カリウム40の変化イメージ図

カリウムは動植物の細胞の中の液(細胞内液)に多く含まれており、生命にとって必要不可欠な物質です。

例えば人間の体にも細胞内液にカリウムは含まれており、恒常性(ホメオスタシス)という体の働きによって、その細胞内液中のカリウムの濃度は一定に保たれています。従って体内には常にカリウム40が一定の割合で存在しており、体重60kgの成人男性では1秒間に平均4000個の放射線(ベータ線、ガンマ線)が体内で出ています。特殊な装置を使用すれば、透過力の強いガンマ線については測定することが可能です。

画像:人間の身体に含まれているカリウムから体重60kgの成人男性では、1秒間に約4000個の放射線が出ている(ガンマ線、ベータ線あわせて)。特殊な装置を使えば人間の身体の中から出るカリウム由来の放射線を想定することも可能です。(ガンマ線)

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