排出放射性物質影響調査

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平成26年度 成果報告会 青森市開催報告

平成26年度環境科学セミナー「知って納得、放射線!」

日時・会場

  • 日時:平成26年11月26日(水) 13:30~16:00
  • 場所:青森国際ホテル 萬葉の間
  • 参加者:189名

実施内容

本成果報告会は、環境科学セミナー「知って納得、放射線」と題し、青森県及び排出放射性物質影響調査を受託している公益財団法人環境科学技術研究所との共催で行われました。

本セミナーは第一部放射線に関する講演や著書で有名な東京大学医学部の中川恵一氏より「放射線とがんのウソ・ホント」と題して放射線やがんに関する基礎的な話を中心にご講演いただき、第二部では環境科学技術研究所の成果報告を行いました。

環境科学セミナーの様子

第一部 「放射線とがんのウソ・ホント」

第一部の中川氏の講演冒頭では、放射線に対する不安をお化け屋敷に例えられ、子供は良く分からないから怖がるが大人は人間がやっているという事が分かっているから楽しめる、しかし東京電力福島第一原発事故後、あたかも本当にお化けが存在するようなマスコミ報道がされることで不安が煽られ、放射線が原因ではなくその不安が原因で不幸になられる方が出てしまう状況を見かね、現在は放射線に関する講演などを通じて精力的に活動をしている旨の紹介がありました。

また、放射線の影響では「がん」がクローズアップされるが、がんという病気についても良く知る必要があるとされ、がんの原因の3分の2は生活習慣であり禁煙、節酒、運動、十分な野菜を摂るなどの生活習慣で避けられること、残りの3分の1は避けられないが早期発見により完治できること、人間にはがん細胞を殺すという免疫機能が備わっており免疫力を下げるのがストレスであり元気に明るく楽しく暮らすことが大事であること、従って今回の原発事故による放射線の影響よりも生活習慣の変化でがんが増えるおそれがあるとの見解が示されました。

中川氏の放射線を医療の現場でがん治療に使ってきた豊富な経験や知識、事故後に現地に入られ様々な活動を行ってきた経験を踏まえた分かりやすく面白い講演でした。

第二部 環境科学技術研究所 成果報告

第二部の内容に関しては弘前市での開催と同様になります。(→ 弘前市開催報告参照)

以下に開催時の写真を掲載します。

村上理事 第二部冒頭あいさつ
村上理事 第二部冒頭あいさつ
久松環境影響研究部長 講演
久松環境影響研究部長 講演
柴田研究員 講演
柴田研究員 講演
小村生物影響研究部長 講演
小村生物影響研究部長 講演

アンケート結果

1.参加者について

参加者 189名
回答数 109名  回収率 58% (内訳:男性 63名/女性 46名)
年齢層
年齢層
過去の報告会参加の有無
過去の報告会参加の有無

2.本報告会を何でお知りになりましたか?

グラフ:開催情報入手方法

開催情報入手方法

3.講演内容について

トリチウムの海産生物への移行
トリチウムの海産生物への移行
放射線の子孫への影響
放射線の子孫への影響

4.講演資料について

トリチウムの海産生物への移行
トリチウムの海産生物への移行
放射線の子孫への影響
放射線の子孫への影響

5.ご意見、ご感想

(1)好評な感想・意見(全体)

  • 環境科学研究所の皆さんの講演を資料に基づいて説明されておりましたのである程度の知識を得ることができました。ありがとうございました。(同8 件)
  • 放射線について少しは理解出来たと思います。機会があればまた聴講したいと思います。(同4 件)
  • 今回初めて参加いたしましたが資料、スライドもだいたい分かったのでよかったです。もう少し放射線のお話が長かったら、もっと良かったです。
  • マスコミの誤報が多い世の中、その報道のみを信じる国民が大多数。せっかく良い研究をしているのだから正確な情報を全国民がわかるように発信して欲しい。
  • 資料の字が大きくて見易く、大変助かりました。高齢の為。

(2)好評な感想・意見(個別)

  • トリチウムについては今話題になっている福島第一の海洋放出についてお聞きしたかったです。(同3 件)
  • マウスによる放射線の遺伝的影響の研究報告は興味深かったです。(同1 件)

(3)指摘を含む意見

  • 専門用語が多く資料も分らない。分りづらかった。一般向けには難しすぎると感じた。(同6 件)
  • 第一部と第二部でギャップがあるように思います。(同2 件)
  • トリチウムの内部被ばくにせよ、マウスの遺伝的影響にせよ、ヒトへの影響がどうなのかの説明がないので分かりにくかった。ヒトへの影響を判定するには今後どんな研究をどのように行うかの説明がほしかった。
  • 二部~1 の研究の背景・報告については知識が全くないので理解できず。理解するにはそれなりの(ある程度の)知識を要するのでは?1.2 とも今後更に研究を進めることによって一般人にも理解できるのでは・・・そうなることを期待しております。(同1 件)
  • (トリチウムの報告について)それで私たちの生活にどう結び付くの?(同1 件)
  • この関係の印刷物は、いつでもカラーの分厚い用紙を使っていて、お金をかけてるなあと思っている。もう少し安いものを使って、その分を他に回したらどうかと思う。講演はすばらしかった。もっと聴きたかった。

(4)その他

  • 中川先生のお話は大変良くわかり、ガンと放射線の関係理解できました。(同9 件)
  • 第一部とても分りやすく聞けました。今までの先入観は改めようと思います。知らないということだった。あまりこわがらなくてもいいということ。おもしろかったです。(同3 件)

お問い合わせ

(公財)環境科学技術研究所 総務部 企画・広報課

環境科学技術研究所は、六ヶ所村で放射線や放射性物質の環境中における分布や動き、及び低線量率放射線が生物に及ぼす影響に関する調査研究を行っている研究所です。

【電話】0175-71-1240 (受付時間 平日8:30~17:15)
【住所】〒039-3212 青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字家ノ前1番7

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