排出放射性物質影響調査

用語解説

クリプトン

クリプトン(Kr)という元素は、原子番号36番の元素です。以下に示すような同位体があり、クリプトン78、80、82、83、84、86は安定同位体、クリプトン85は放射性同位体です。

画像:クリプトンの元素番号とそれぞれの構成要素を示す表

クリプトン85は、原子力発電の燃料であるウランの核分裂反応の際にできる放射性物質として代表的なものの一つです。比較的⻑い半減期(約11年)を持ち、ベータ線を出して安定なルビジウム85へと変化します。この時に、ごくわずかにガンマ線も発生します。

画像:クリプトン85がベータ線を出しルビジウム85に変化するイラスト

クリプトンは希ガスと呼ばれるヘリウムやネオンといった元素と同じグループに属し、化学的に安定で反応性に乏しいため他の元素と化合物を作りにくいという性質があります。
核分裂の際に発生したクリプトン85は原子力発電所では燃料棒内に閉じ込められていますが、再処理工場では燃料棒が切断されるので処理設備内に出てきます。希ガスの特徴である、他の物質との反応性に乏しいという性質のため、設置されているフィルターでは取り除くことができないので、気体廃棄物として環境中に排出されます。

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