人間をはじめとした生物の体を構成する基本的な物質である炭素には、炭素12、13、14の重さの異なる3種類の同位体が存在します。それらのうち炭素14(14C)は放射性同位体であり、全炭素量に対して存在比1兆分の1と非常にごく微量ですが環境中に存在しています。
炭素14は大気圏上層で宇宙からの放射線に由来する中性子と空気の主成分である窒素14との反応により常に生成されており、これまで大体一定の濃度で地球上に存在していたとされています。また原子力発電所で使われる燃料の中にも窒素14が含まれており、核分裂時に発生する中性子線との反応によって、大気圏上層での反応と同様に炭素14が発生します。
炭素14は以下のような変化をして、安定な元素である窒素14に変化します。半減期が約6,000年と長く、エネルギーの小さなベータ線という放射線を発生するという特徴があります。
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