トリチウムの内部被ばくによる生物影響を評価するためには、体内に入ったトリチウムが体内の各部位にどのように移動し、残留するのかを正確に知る必要があります。これらはトリチウムの化学形によってそれぞれ違っています。
そこで、トリチウムやその安定同位体である重水素で標識した有機化合物(核酸、アミノ酸等)を、マウスの胎児期、授乳期(いずれも雌親に投与)、成長期、及び成体に経口投与し、一定期間後に解剖して臓器や組織試料を採取します。それら部位ごとに重水素濃度を測定して、摂取時期による重水素の移動や残留の違いを明らかにします。
これらのデータからマウス体内でのトリチウムの体内代謝に関するモデルを作成し、トリチウムの内部被ばくの影響を評価する上での重要な基礎データとします。また、人でのより正確な被ばく線量の評価に役立てることを目指します。
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