私たち人間は生まれながらに体を守る機能を持っています。また生まれた後にも、風疹や麻疹(はしか)のように予防接種やその病気を経験することによって新たに守る機能を獲得することもあります。もともと免疫という言葉はその新たに獲得する機能を指していましたが、現在では体を守る機能全般、更にその機能が引き起こす様々な体内での反応も含む非常に広い概念として使われています。
生物には様々なレベルで防御機能があります。例えば個体レベルであれば危険を避けて自分の体を守る、怪我をすれば治るように処置する等、また遺伝子レベルでは遺伝情報の集合体であるDNA(デオキシリボ核酸)が何らかの影響によって切れてしまってもそれを修復するといったものです。同様に細胞レベルでも防御機能があり、その代表的なものが免疫機能です。
例えば体に悪影響のある細胞の増殖が始まったとします。それでも体内では免疫機能が働き、そういった悪影響のある細胞を異物とみなして排除することで病気になることを防ぎます。しかしこの免疫機能は様々な要因により変化します。
排出放射性物質影響調査では、低線量放射線が免疫機能をはじめとした細胞レベルの防御機能にどのような影響があるのか調査しています。
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