排出放射性物質影響調査

用語解説

ベクレル

ベクレル(Bq)とは、1秒間あたりに放射性物質の原子核が変化する回数(回/秒)を表しており、放射性物質に関する単位の一つです。この変化を壊変と言い、放射性物質が壊変する際には放射線を出すことから、放射線を出す能力(放射能)の強さを表す数値としても使われています。ガラスの着色剤に用いられていたウランから放射線が出ていることを確認し放射性物質の存在を発見したフランスの科学者アンリ・ベクレルに因んで、単位としてその名前が使われているものです。

画像:ベクレル・1秒間あたりに放射性物質の原子核が変化する回数

ベクレルという単位にはこのような定義がありますが、一般的にベクレルという数値は放射性物質の量や濃度を示す値として使われます。例えば量を表す場合、東京電力福島第一原子力発電所事故では放射性セシウムが約1016ベクレル環境中に放出された、濃度を表す場合では、お米には天然の放射性カリウムが1キログラム当たり30ベクレル含まれている、といった形で使われます。

実際にベクレルの値から量を計算することは可能であり、1016ベクレルの放射性セシウムの重量は半減期を30年、セシウムの質量数を137として計算すると、純粋な放射性セシウムが存在すると仮定して約3,120gとなります。

またベクレルという値は常に変化するという特徴があります。上図のように放射性物質は常に変化をし、新たに放射性物質が加えられない限り減り続けることになります。その減り方は放射性物質の種類により異なり、例えば放射性セシウムで約30年、放射性炭素では約6000年というような半減期で表され、ある時点で100ベクレルあったものがその半減期だけ経過すると50ベクレルになります。

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