排出放射性物質影響調査

用語解説

がん遺伝子

生物の細胞は、正常な状態ではある程度増えると寿命がきて分裂が終わります。しかし、異常状態になると分裂が終わらず細胞が増え続けます。この状態が「がん化」ということになります。

がんが発生する原因を、ニワトリに肉腫を発生させるウィルスを使って研究した結果から、発がん性ウィルス中の遺伝子ががん化に関与していることが分かり、その後の研究の進展で、現在ではがんは遺伝子の変異による病気であるとされています。

がんに関係する遺伝子は、正常な細胞中に存在していて、1.細胞の増殖に関係する、2.異常になった細胞の細胞死を誘導する、3.傷の付いたDNAを修復する、といった働きが知られています。この遺伝子に異常が生じると、それぞれの機能がなくなり、異常細胞が増殖することになります。

1.の働きをする遺伝子を「がん原遺伝子」、2.と3.の働きをする遺伝子を「がん抑制遺伝子」と呼び、変異を受けてがんの原因となった遺伝子を”がん遺伝子”と厳密に分けて呼ぶ場合もあります。本ホームページではがんに関係する遺伝子(正常、異常を含めて)を総称してがん遺伝子としています。

画像:がんに関係する遺伝子イメージ図

このような遺伝子の変異には様々な原因があると考えられています。例えば食生活やタバコ、排気ガスなどを通じて摂取する環境中の化学物質、紫外線や放射線などが挙げられます。

排出放射性物質影響調査では、低線量率放射線の被ばくによって引き起こされる遺伝子の特有の変化について調査を行っています。

関連情報

用語解説一覧へ戻る