排出放射性物質影響調査

用語解説

ストロンチウム

ストロンチウム(Sr)という元素は、原子番号38番の元素です。以下に示すような同位体があり、ストロンチウム84、86、87、88は安定同位体、ストロンチウム89、90、91は放射性同位体です。

画像:ストロンチウムの種類

放射性のストロンチウムは、原子力発電の燃料であるウランの核分裂反応の際にできる放射性物質として代表的なものの一つです。その中でもストロンチウム90は寿命(半減期)が約29年と長いことからストロンチウムの放射性同位体の代表的なものです。ストロンチウム90は以下のような変化を起こして、最終的に安定な元素であるジルコニウム90へと変化します。

画像:ストロンチウムからジルコニウムへの変化

ストロンチウムの化学的な性質は、人間の骨や歯に多く含まれているカルシウムと似ています。従ってストロンチウムを人間が摂取した場合にはカルシウムと同じように体内で動き、分布することになります。過去に大気中核実験などにより環境中に放出されたストロンチウム90が現在でも存在していますので、飲料水や農畜産物などを通して人間が摂取し、それらから放出される放射線によりわずかな量ですが被ばくしています

このように環境中への放出があると長期間にわたって残存することから、ストロンチウム90は原子力施設等では監視すべき主要な元素として位置づけられています。

関連情報

用語解説一覧へ戻る