排出放射性物質影響調査

用語解説

トリウム系列

トリウム232という放射性物質を出発点として、下図のように放射線を出して別の放射性物質へと変化(放射性壊変)を繰り返し、最終的に安定同位体である鉛208となる一群をいいます。それぞれの放射性物質は「トリウム系列核種」とよばれ、ラドン220が代表的な元素です。このラドン220は別名「トロン」とも呼ばれ、ウラン系列核種のラドン222とは区別されています。すべてのトリウム系列核種は、その質量数が4で割りきれることから、4n系列とも呼ばれることがあります。

画像:トリウムの「放射性壊変系列」

このように、一つの放射性物質を出発点として変化を何度も繰り返して安定な物質になっていく過程を「放射性壊変系列」と呼びます。このような放射性壊変系列を形成するものは他に、ウラン系列、アクチニウム系列、ネプツニウム系列があり、現在でもネプツニウム系列以外の3系列が環境中に存在しています。

トリウム232の半減期は約141億年と非常に長く、地球の年齢がだいたい45億年と言われていますので、地球誕生時から2割も減っていないという非常に“長生き”な放射性物質であるといえます。

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