図3.1

六ヶ所村沖合海洋調査

海洋中のある一点に物質が放出された場合、海水の流れとともに動き、それに伴ない周りに広がっていきます。また、物質は海水中に存在する粒子と結びついて海底に沈む、逆に海水の運動によって再び海中へ浮遊するといったこともあります。

再処理工場の運転にともない、放射性物質が海洋に放出されることから、海洋中でどのように動くのか、正確に予測することが求められています。そこで放射性物質が六ヶ所村沖に放出された後の海洋中での動きを予測するために調査を行っています。

六ヶ所村沖合海洋調査の概要 ▼

海水の流れを予測する

図4.1 海洋に放出された放射性物質の動きを予測するためには、まず海水の流れを知ることが必要です。

放射性物質が放出される六ヶ所村沖には、津軽海峡から出てくる暖かく塩分の高い海水(もともとは九州の南で黒潮から分かれたもの)、北海道襟裳沖からやって来る冷たくて塩分の少ない海水(親潮)が共に存在します。時には、本州の南岸を流れる黒潮から離れた海水もやってきます。

このように色々な種類の海水が流れ込んでくるため、海水の動きは複雑になります。しかし、陸上と同じように海上でそれらを連続して観測することは不可能です。

そこで、コンピュータによって海水の流れを予測できるようなシステムを開発するとともに、観測船やフェリー、センサ搭載のブイにより実際に測定を行い、その精度向上に取り組んでいます。

海洋中で物質の動きを予測する

図4.2 海洋中での放射性物質の動きを予測するためには、海水の流れによる移動・拡散といった平面的な動きに加えて、海底への物質の沈降や再浮遊といった立体的な動きも組み合わせる必要があります。

海水中の物質は、海水の流れによって移動・拡散するとともに、海水中の粒子と結びついて沈降して海底へ移動する、逆に海底に沈んだ物質が海水の運動によって再び海水中へ移動するといった動きをします。またその予測対象となる物質の種類によって、例えば海水中の粒子と結びつきやすい、あるいは結びつきにくいといった性質の違いがあるため、動きが異なる場合があります。

これらのことを考慮した上で、海洋中での物質の動きをコンピュータにより再現するシステムを構築しています。