再処理工場の稼働により放射性物質(トリチウム、放射性炭素、ヨウ素129及びクリプトン85等)が管理排出されます。それら放射性物質の農水産物への移行・蓄積等の影響について、地域住民の関心や不安があることが言われています。
そこで、地域の主要な農産物であるナガイモ、水産物であるヒラメやメバルを対象として、トレーサを用いた実験による放射性物質の移行・残留性に関する調査を行っています。
農産物(ナガイモ)への移行・残留に関する調査
再処理工場が立地する六ヶ所村周辺の主要な農産物であるナガイモを対象に、炭素の安定同位体である炭素13をトレーサとして用い、工場から排出される放射性炭素を想定したナガイモへの移行及び残留性について調査を行っています。また、ナガイモの成長データと安定同位体(炭素13)のばく露実験から、放射性物質のナガイモへの長期的な移行予測ができるようなデータを取得し、地域住民や農業従事者への疑問や関心に応えます。
水産物(ヒラメ、メバル)への移行・残留に関する調査
再処理工場が立地する六ヶ所村周辺の主要な水産物であるヒラメやメバルについて、海洋への排出が想定されるトリチウム、放射性ヨウ素の移行・残留を調査するため、室内での飼育実験を行っています。
トリチウムに関する調査では、飼育実験において安定同位体である重水素(D)をトレーサとして用い、水(HDO)として取り込まれた重水素が魚体内で代謝により有機結合型重水素(OBD)に変化した後の移行・残留性を、水温条件別に調べます。
また、放射性ヨウ素に関する調査では、放射性ヨウ素をトレーサとして飼育実験を行い、魚体内の放射性ヨウ素濃度データを取得します。
これらトリチウム、放射性ヨウ素の移行・残留に関するデータを取りまとめ、地域住民、、水産業従事者への疑問や関心に応えます。
環境影響調査へ戻る