排出放射性物質影響調査

用語解説

再処理工場

原子力発電所ではウラン235の核分裂によって発生する熱エネルギーで蒸気を作り発電をしています。発電に使われた燃料棒内のウラン235は減少し、一定の期間を経過したものは使用済燃料となります。使用済燃料にはウラン235が残っており、また燃料として利用が可能であるプルトニウムが新たに燃料棒内で作られるため、取り出して化学処理をすることで再利用が可能となります。このような処理をする工場が再処理工場です。

画像:再処理工場のながれ(出典:日本原燃資料)

再処理工場では使用済燃料を切断(せん断)して硝酸で溶解し、硝酸ウラン溶液、硝酸プルトニウム溶液とそれ以外の放射性物質の溶液に(高レベル放射性廃液)に分離します。

硝酸ウラン溶液を脱硝してウラン粉末を得るとともに、硝酸プルトニウム溶液に硝酸ウラン溶液を1対1の比率で混ぜ合わせたものを脱硝してウラン・プルトニウム混合粉末を得ます。高レベル放射性廃液は蒸発処理してその濃縮液をガラス固化し、高レベル放射性廃棄物にします。

これらの工程から、廃ガスと低レベル廃液が出ます。廃ガスは主にせん断・溶解工程で出ます。低レベル廃液は主に高レベル放射性廃液を蒸発処理した蒸留水です。
廃ガスは、フィルタを通して放射性物質を減少させた後、排気塔から放出されます。
低レベル廃液はさらに蒸発処理して、放射性物質の減少した蒸留水が海に放出されます。

気体廃棄物 液体廃棄物
クリプトン85、トリチウム、炭素14、ヨウ素129、ヨウ素131 トリチウム、ヨウ素129、ヨウ素131

関連情報

用語解説一覧へ戻る