排出放射性物質影響調査

用語解説

マウス(実験動物)

実験動物として使用されるマウスの種はハツカネズミですが、野生にいるハツカネズミとは異なり実験用に改良されたものを使用します。実験で使用する場合は複数のマウスを使用する必要があり、そのマウスの間で大きさが違ったり毛色が違ったり、また病気のなりやすさが違ったりしては、正確な実験結果が得られません。

そこで実験用に改良された、一定の性質をもったマウスの一群である「近交系」のマウスが使用されています。マウスは1回の出産で4~8匹の子供が生まれ、更に兄妹同士で交配をさせて増やしていくことができます。これを20世代以上もくり返すことで、遺伝的にも均一であるマウスの一群を作ることができます。このような改良された近交系マウスは、毛色も同じで、自然に発生するがんの種類や発生率もほぼ一定です。

画像:改良された近交系マウスの図

現在、この実験用マウスには300系統以上の種類があり、実験の目的によって使い分けがされています。排出放射性物質影響調査で使用された実験用マウスは、C57BLとC3Hという2種類の近交系マウスの子供である「B6C3F1」という種類のマウスを使って実験を行っています。このマウスは、ある種の「がん」だけが特別に高い発生率を示すようなこともなく、また比較的丈夫であると言う特徴があります。

一般的性質
平均寿命…オス:約900日、メス:約850日
体重…オス:約26グラム、メス:約21グラム(56日齢、大人のマウス)
毛色…野ねずみ色(暗茶色)
画像:実験用マウス

また本調査では、低線量放射線によるマウスへの影響について正確な実験を行うため、他の病気にかかったりしないようにSPFといって特定の病原菌がいない清潔な環境下で飼育、実験を行っています。

関連情報

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