再処理工場から放出される放射性物質の海洋中での動きをコンピュータにより予測・再現するためのシステムの開発をしています。
六ヶ所村沖合は太平洋に面して開けた海域であり、季節によって津軽海峡からの流れや北海道襟裳岬からの流れ(親潮)などの影響を受けて、沿岸でも流れが大きく変化します。このため、六ヶ所村沖でのある時期の流れをコンピュータで再現するには、より外側の広い領域からの影響を考える必要があり、それらの影響を考慮した六ヶ所沖での細かな領域での計算を行う手法を開発しています(ネスティング手法)。
右の図は、海水の流れを再現した例です。流れの方向が矢印で、流れの大きさを色で分けて示しています。
また海中では、物質は海水の流れとともに移動し、海水中で広がったりします(移流と拡散)。それ以外に、海水中にある粒子と結びつき、その粒子が海底に沈んでいくことによって海底へ移動します(沈降)。海底に沈んだ物質は、波の力などによって再び海水中へ移動することもあります(再浮遊)。このような物質の動きは、物質の持っている性質によって異なります。
このような物質の動きをコンピュータで再現しようとしています。
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