子どもは放射線に限らず各種の環境因子に対して感受性が高いことが知られており、高線量率放射線を被ばくした場合の有害な影響についても、子どもとおとなでは感受性やリスクに差があることが示されています。一方で、子どもの低線量率放射線長期被ばくに関してのデータはほとんどありません。また、近年、放射線の医学利用に関しては、その技術の進歩に伴い、子どもへの適用も広がる傾向にあります。
本解析では、特に社会的な関心が高い子どもの低線量率放射線被ばくの影響に関する科学的なデータを得るための実験を実施しています。特に、子どもとおとなの感受性の違い、高線量率放射線急性被ばくと低線量率放射線長期被ばくの影響の違いに注目して解析を行っています。
子どものときに放射線照射を受けたマウスを長期にわたり飼育し、寿命や死因、疾病の発生頻度などを病理学的な手法で調べています。
染色体は細胞の中にある遺伝子の入れ物であり、マウスの場合20対40本あります。それぞれの染色体を色分けして区別する技法を用いて、染色体が放射線で切れた後に間違ってつながれてしまった「転座」などの染色体異常を調べています。
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