排出放射性物質影響調査

用語解説

アマモ

アマモは、世界に分布する海草の種類の中で、日本の近海では最も普通にみられる海草です。遠浅の砂泥海岸域や汽水湖の、水深1~数メートルの砂底や砂泥底に群落を形成します。そういった場所はアマモ場と呼ばれ、沿岸生態系では重要な役割をしています。アマモは日光が十分に届く浅海底で生育するため盛んに光合成を行い、沿岸域に住む生物の直接的あるいは間接的な栄養源として利用されます。

排出放射性物質影響調査の一つに、このアマモ場を対象とした調査があります。その理由は再処理工場がある下北半島は沿岸海域および汽水湖にアマモ場が豊富に存在していることから、このアマモ場での炭素をはじめとした物質循環を調査し把握しておくことは、再処理工場から排出されると予想される放射性炭素の周辺環境への影響を正確に評価するために必要不可欠だからです。

海の植物といえばワカメやコンブを思い浮かべる方も多いと思いますが、これらは胞子によって繁殖する植物であり、花を咲かせて種を作る種子植物の「アマモ」とは異なる種類のものです。従って、アマモは「海草(うみくさ)」、ワカメやコンブは「海藻(かいそう)」として区別されています。

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