排出放射性物質影響調査

用語解説

放射性炭素

セシウム(Cs)という元素は、原子番号55番の元素です。以下に示すような同位体があり、セシウム133(133Cs)は安定同位体、セシウム134、135、136、137(それぞれ134Cs,135Cs,136Cs,137Cs)は放射性同位体です。

画像:セシウムの種類

放射性セシウムは、原子力発電の燃料であるウランの核分裂反応の際にできる放射性物質の代表的なものの一つです。

核分裂により直接生成するセシウム137は、半減期が約30年と比較的長いため、使用済燃料の再処理や貯蔵、処分時における主要な放射性物質です。また、事故などによって環境中に放出されると、長期間残存することになります。セシウム137は以下のようにベータ線とガンマ線を放出して、安定な元素であるバリウム137に変化します。

画像:セシウム137からバリウム137への変化

セシウム134は、核分裂により直接生成される放射性物質ではありません。原子炉内の核分裂で生成した放射性のキセノン133がセシウム133に変化し、更に中性子が吸収されることでセシウム134となります。そのため原爆のような短時間で起こる核分裂ではセシウム134は生成されません。セシウム134は約2年の半減期でベータ線とガンマ線を放出して、バリウム134に変化します。

画像:セシウム134からバリウム134への変化

なお、セシウム135は半減期が230万年と非常に長寿命であるため、放射能強度は非常に弱い放射性同位体です。また、セシウム136は生成量が少なく、半減期が13日と短い同位体です。

セシウムの化学的な性質は、動植物の細胞の中の液(細胞内液)に多く含まれているカリウムと似ています。従ってセシウムを人間が摂取した場合にはカリウムと同じように体内で動き、分布することになります。過去に大気中核実験などにより環境中に放出されたセシウム137が現在でも存在していますので、飲料水や農畜産物などを通して人間が摂取し、それらから放出される放射線によりわずかな量ですが被ばくしています。

このように環境中への放出があると長期間にわたって残存することから、放射性セシウムの中でも特にセシウム137は、原子力施設等での監視すべき主要な元素として位置づけられています。

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