本成果報告会は、排出放射性物質影響調査を受託している公益財団法人環境科学技術研究所、公益財団法人日本海洋科学振興財団の共催で行われました。
環境科学技術研究所の小野理事長の開会挨拶の後、同所の企画・広報課課長の石川敏夫から、成果報告に先立ち、放射線の単位や影響に関する基礎的な説明がなされました。
成果報告は、前半に放射線生物影響研究について、後半に環境中での放射性物質の動きに関する研究についての内容が発表され、後半部分で環境科学技術研究所、日本海洋科学振興財団それぞれの研究成果が報告されました。
前半の放射線生物影響研究に関する報告では、環境科学技術研究所の小野理事長から「環境研における放射線生物影響研究の成果と今後」と題して、寿命試験をはじめとした研究成果の説明と今後の放射線生物影響研究の展開について報告がされました。
後半の環境中での放射性物質の動きに関する研究報告では、最初に環境科学技術研究所から福島原発事故で放出されたトリチウムに関する報告がされました。
久松環境影響研究部長から、トリチウムに関する基礎的な説明や、原子力発電所でどのように生成されるのか、また福島事故ではどの程度の量が放出されたのか説明がされた後、柿内研究員から事故後に福島第一原子力発電所周辺で採取された植物中に含まれるトリチウムの濃度を測定した結果や、それらから空気中トリチウム濃度を推定し最大被ばく線量を求めた結果について報告がされました。
次に海洋科学振興財団から青森県近海域海洋循環シミュレーションに関する報告がされました。
島海洋研究部長から、再処理工場が竣工・稼働して放射性物質を含む液体廃棄物の海洋排出が始まった後に海洋排出された放射性物質がどのように海洋を移動するのか予測するために当該シミュレーションを構築しているとの説明があり、また、海中での物質の存在形態や移流・分散、沈降や再浮遊と言った物質の動きに関する基礎的な説明がされました。続いて印研究員から、青森近海域の海流の特徴や季節変動、コンピュータシミュレーションを作る方法、シミュレーション結果を示し、実測データとの比較から今後の改善点などについて報告がされました。
最後に日本海洋科学振興財団の折田常務理事から閉会の挨拶がなされ、盛況のうちに閉会となりました。
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(公財)環境科学技術研究所 総務部 企画・広報課
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